〈完〉最初で最後の初恋
「これからリホちゃんの担当をしてもらう高原先生だよ。」
私は極度の人見知りで、ずっと下を見て生きてきた。
初めての塾は、人見知りな私にとっては
まさに怖いの一言だった。
塾長さんに担当の先生を紹介された。
『よろしくお願いします。』
そう言って塾の担当の先生の顔を一瞬だけチラッと見ようとした。
そう思って頭をあげ担当の先生の顔を見たとき
先生は、
「よろしくね」
と言って、優しい顔で私に微笑んだんだ。
私を安心させるように。
それが先生との出会いだった。