〈完〉最初で最後の初恋



それから、進路の相談や学校の愚痴を先生に聞いてもらって
初めての授業は本当にペンも握らなかった。





週に一回先生に会える。


先生に会うのは水曜日。


水曜日は、大っ嫌いだったけど塾に行き始めてから大好きになった。


反対に、木曜日は大っ嫌いになった。


私は恋をして単純になったのかもしれない。



塾に行くたびに私は先生を好きになる。


先生を好きだって自覚したのは友達からの一言だった。



「リホ、最近水曜日になるとソワソワするよね?」

「そうそう、

あとなんか、綺麗になったよね。
髪型とか服装とか変えてないし、メイクしてるわけでもないのに…」


『そんなことないよ!』


「もしかして…「「恋でしょ?」」


と友達2人に、からかわれ


ずっと先生のこと考えてるって言ったら


先生に恋してる

と言われて、私は恋と自覚した。


それからは気持ちは止まらなかった。


ううん、とめられなかった。


まだまだ初めての恋で


先生に恋人がいるとかそんなことは考えなかった。


恋は盲目


まさに言葉通りだった。





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