〈完〉最初で最後の初恋



「リホちゃん、どうした?」


『実は…




親が離婚したことを言った。

先生は安心感がある。


行く前は話さないでおこうって決めてても

先生に会うと話しちゃう。



「そっか。

悲しいな。

嫌なこと全部言ってみ。」



『うん、私も家族の一員にしてほしかった

私にも相談してほしかった。

事後報告みたいに言わないで欲しかった。

お母さんも私に愚痴を言って欲しかった。

もっと、もっと、もっともっと

私を頼ってほしかった…!』



「そうか…」


先生は何も言うことなく

ただ私の言葉を

うん、うん


と聞いてくれた。


まるで安心させるかのように私をぎゅーってしてくれた。


あのとき、先生のスーツを私の涙で汚しちゃったね、ごめんね。



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