〈完〉最初で最後の初恋
はじめて親以外の人の前で泣いた。
離婚のことは嫌だったけど
先生に話したことを全部お母さんにぶつけたら、離婚はなくならなかったけど
お母さんは私にごめんねと謝ってくれたんだ。
そんなことがあってから私は先生に緊張しなくなったの。
先生も分かったでしょ?
遠慮がなくなったって。
だから、先生に好きって何回も言った。
1回の授業で何回も言っちゃって
先生にうるさいって言われたね。
もう、あとはどうしたら先生は私が好きになってくれるんだろう?
ってずっと考えてた。
初めて、
好きな人が自分を好き。
それが凄く羨ましいことを知った。
でも、恋の苦しさはまだ知らなかった。
先生が他の女の子と話していても
嫌だけどいつか、自分を好きになってくれたらって思うと心が楽になった。