【短】先輩のバーカ
先輩の手は柔らかくて、気持ち良かった事を今でも覚えている。
『じゃあ、俺と……付き合ってくれますか?』
ドキドキしながら言った、人生初めての告白。
『いいよ!!』
『やった!!めちゃくちゃ嬉しいです!!』
あの時の嬉しさは、今まで味わた事がない程。
けれど、その嬉しさは次の瞬間には放心状態に変わっていた。
『私も嬉しい!こんなに委員会を好きになってくれる1年生がいるなんて!!分からない事があったら、何でも言ってね。付き合うから』
俺の気持ちなんて、1ミリたりとも通じていなかったのだ。
その話をソラにした時は、腹を抱えて爆笑された。
それからと言うもの、俺は事あるごとに告白しているが……
今の今まで1度たりとも通じたことがない。