だいじなもの。


「煌?お風呂ありがとう。気持ちよかった」


下に降りるとキッチンに居らず、奥の部屋でパソコンと睨めっこしている煌を見つけた。


あまりにも真剣に睨めっこしている為、少し控えめに顔を覗かせた。


「もう上がったの?」

「うん。ありがとう」

「お腹空いただろ?出来てるよ」

「ありがとう。仕事じゃないの?」

「急ぎじゃないから大丈夫」


パソコンの電源を落としてリビングへ出てきてくれた。


そしてキッチンに立った。


「今日はビーフシチュー作ってみたんだよね。味は保証するよ、味見したから」


目の前に出てきた料理はビーフシチューとサラダ。


「本当に煌が作ったの?」


驚くくらいプロが作ったかのよう美味しそう。


「まぁね。あんまり自炊しないんだけさ、レシピ通り作ったらちゃんと完成した」


これが普段料理しない人の出来栄え?


「食べていい?」

「どうぞ」

「いただきます」


一口ビーフシチューを急いで口に含んだ。


ナニコレ・・・・・


「美味しい・・・・・。美味しすぎるよ!」


手と口が止まらない。


「気に入ってもらえたみたいでよかった」


微笑みながら煌も食べ始めた。


そして他愛のない会話でかなり遅い夕食終えた。





「食べ終わったらシンクに置いといて。後で片すから」

「今度は私が片すよ。その間にお風呂入ってきてよ」

「いいの?」

「うん。こんなにおもてなししてくれたんだから今度は私がお返しする」

「ありがとう。じゃあお言葉に甘えて」


笑顔で見送って、キッチンに立った。


って言っても食器洗うだけだけど。

< 57 / 73 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop