だいじなもの。
「そろそろ寝る?」
「その前に髪の毛乾かした方がいいんじゃない?」
お風呂から出たばかりの煌の髪はビショビショ。
「めんどくさいからいいよ。それより奈緒が乾かした方がいいよ」
私はというと、お風呂から上がって時間が経っているため半乾き。
「じゃあ乾かしあいっこしようよ」
「いいよ」
煌の提案に了承すると、ドライヤーを持ってきた。
最初は煌に乾かしてもらう。
部屋の真ん中にあるソファーの下に座る。
「楽ちん~」
「お客さん痒いところはないですか~?」
なんて遊びながら乾かしてもらう。
「・・・・・・」
「え!?何か言った?」
ドライヤーの音で煌の声がかき消された。
「いや、何も」
その言葉ですら聞こえることはなかった。