だいじなもの。
着替えてからまた1時間車を走らせて帰ってきた。
軽く夕食を済ませ奈緒の家の前に車を止める。
「今日はありがとう。楽しかった」
「また来週」
お互いに手を振り車を動かした。
チラッと確認したバックミラーにはずっと見送っていてくれた。
そんな姿にも愛しく感じて思わず笑みが零れてしまった。
すっかり習慣になったお泊り。
つい最近まで彼氏がいた奈緒に気持ちを伝えることはなかったが、さり気なくアピールはしてみた。
最初は照れていたスキンシップも、今では友達感覚で接してくれるようになった。
奈緒に触れられることで嬉しい気持ちと同時に、この行為が友情としての対応なんだなと思うと少し寂しい気持ちもあった。