極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 とにかくこのズキズキとした頭痛だけでもなんとかしたい。

「なにか食ってから飲めよ」

 サンドイッチやパンをスルーして鎮痛剤の小箱に手を伸ばした瞬間、涼我にビシッと注意され、その手を引っ込めた。
 涼我は私が弱っているときには、まるで母親のように世話焼きになる。

 仕方なしにサンドイッチの袋を開け、「いただきます」と手を合わせてから、たまごサンドを口に入れた。

 なにか言いたいことでもあるのか、涼我はそんな私の姿に視線を送り続けている。そんなに見られたら、穴が開きそうだ。

「飲みすぎなんだよ」

 それは昨夜も指摘された気がしたけれど、実際に迷惑をかけたのは事実だから反論できない。

「すみません」

 両手を合わせて、ここは素直に謝った。

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