極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「マイコちゃん!って涼我が答えたとき、実はショックだったんだよ。私じゃないんだ~って」

「は? なにそれ」

「ヤダ、言った涼我のほうが忘れてるの?」

 呆れてフフっと笑った私を見て、涼我がポカンとしたまま固まっている。

「違うよ。俺はそんなこと言ってない」

「え?」

「違う名前を言ったのは和奏のほうだ。シンゴくん、って」

「ウソ! それはないよ!」

 今度は私が驚いて、そう言ったまま口を開けて固まってしまう。

 今となってはどちらの記憶が正しいのかわからない。
 だけどわかったのは、そのときお互いに、自分とは違う名前を告げられてショックを受けた、ということだ。

「てか、マイコちゃって誰?」

「あはは。シンゴくんももうわかんないや」

 子どもの頃の友達は、今はもうどこで何をしてるのかわからない子たちばかりなのに、私と涼我はなんと強い(えにし)なのだろう。

「ずっと一緒にいよう。地球最後の日が来たとしても、今世も、来世も」

 うなずくと、涼我が優しく唇にキスを落とした。

「俺の一番は、いつだって和奏ひとりだ」



――― fin ―――
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