極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「そんなに簡単にいかないよ」
「ストレス多そうだと思って」
「だからって辞めたら無職だし、暮らしに困るでしょ」
涼我がマグカップのコーヒーに口をつけ、会話に一瞬の間ができる。
「うちの会社で働くか?」
涼我の真剣なまなざしから、それは冗談ではなく本気だとわかる。
「え……ヤダ。それはダメ」
「そうか」
涼我は一応、会社を経営しているから社長なのだ。
大学を卒業してすぐに起業したときには、かなりびっくりした。
涼我自身はウェブデザイナーという肩書を名乗っているが、アプリ開発なんかもやっているようで、仕事の詳しい内容まで私はよく知らない。
ただ経営は相当順調らしく、今では社員も増え、そこそこの規模の会社に成長している。
まだ朝の七時過ぎなのに、涼我のスマホが鳴り、相手を確認すると涼我はすばやく電話に出た。
「もしもし。……ああ、その件は俺がやるから。資料だけまとめといてくれるか」
どうやら仕事の電話のようで、涼我は難しい顔をしながらも、適切に判断して指示を出していく。
会話の内容はもちろんわからないけれど、仕事をしているときの涼我は頼もしくてカッコいい 。
「こんな朝早くから仕事の電話?」
「ああ。明日大事なプレゼンがあって、準備に追われてるんだ。デカい受注だし取りたいから」
涼我はプレゼンが得意らしいから、明日も自分で行うのだろう。
大きなプロジェクターを前にマイクを持って説明する姿を想像すると、本当に仕事ができる男なのだと感心してしまう。
涼我を子供の頃から知っている同級生の身としては、会社を辞めたくても辞められない私とは大違いだなと、今の自分が惨めで情けなくなってくる。
「私には〝寿退社〟があるからね」
「…………」
「ストレス多そうだと思って」
「だからって辞めたら無職だし、暮らしに困るでしょ」
涼我がマグカップのコーヒーに口をつけ、会話に一瞬の間ができる。
「うちの会社で働くか?」
涼我の真剣なまなざしから、それは冗談ではなく本気だとわかる。
「え……ヤダ。それはダメ」
「そうか」
涼我は一応、会社を経営しているから社長なのだ。
大学を卒業してすぐに起業したときには、かなりびっくりした。
涼我自身はウェブデザイナーという肩書を名乗っているが、アプリ開発なんかもやっているようで、仕事の詳しい内容まで私はよく知らない。
ただ経営は相当順調らしく、今では社員も増え、そこそこの規模の会社に成長している。
まだ朝の七時過ぎなのに、涼我のスマホが鳴り、相手を確認すると涼我はすばやく電話に出た。
「もしもし。……ああ、その件は俺がやるから。資料だけまとめといてくれるか」
どうやら仕事の電話のようで、涼我は難しい顔をしながらも、適切に判断して指示を出していく。
会話の内容はもちろんわからないけれど、仕事をしているときの涼我は頼もしくてカッコいい 。
「こんな朝早くから仕事の電話?」
「ああ。明日大事なプレゼンがあって、準備に追われてるんだ。デカい受注だし取りたいから」
涼我はプレゼンが得意らしいから、明日も自分で行うのだろう。
大きなプロジェクターを前にマイクを持って説明する姿を想像すると、本当に仕事ができる男なのだと感心してしまう。
涼我を子供の頃から知っている同級生の身としては、会社を辞めたくても辞められない私とは大違いだなと、今の自分が惨めで情けなくなってくる。
「私には〝寿退社〟があるからね」
「…………」