極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「嫌だよ。会社は辞めない。ハイスペック彼氏候補とまだ仲良くなってないもん」
樹里には見えないとわかっていながらも口を尖らせると、電話越しにあきれたようなため息が返ってくる。
『ハイスペック彼氏って、本気だったんだね』
「もちろん本気です」
今朝、涼我との会話にもチラッと出したその人は、我が社の顧問弁護士で、三浦宏樹さんという四つ年上の三十一歳の男性だ。
イケメンで、聡明で、堅実で、国際弁護士の資格もあるとかで、世界を股にかけて活躍していらっしゃる。
世間ではこんな人を“ハイスペック”と呼んでいる。
三浦さんとは連絡先を交換して、メッセージアプリで朝の挨拶なんかを交わすようになったばかりだから、今会社を辞めてしまったら接点が激減して、やり取りも自然消滅してしまうかもしれない。
樹里には冗談かなにかだと思われているようだけれど、私としては大事にしていきたい繋がりなのだ。
このまま仲良くなって進展し、私にハイスペック彼氏ができる未来を真面目に夢見ているのだから。
『また失敗しなきゃいいけど……』
「なによ、またって」
『だって、前もそういうのあったけどダメだったでしょ。やり手の証券マンだったっけ。結局のところ中身は絵に描いたような超マザコン男でさ』
「樹里、もうそれ以上はやめて」
樹里には見えないとわかっていながらも口を尖らせると、電話越しにあきれたようなため息が返ってくる。
『ハイスペック彼氏って、本気だったんだね』
「もちろん本気です」
今朝、涼我との会話にもチラッと出したその人は、我が社の顧問弁護士で、三浦宏樹さんという四つ年上の三十一歳の男性だ。
イケメンで、聡明で、堅実で、国際弁護士の資格もあるとかで、世界を股にかけて活躍していらっしゃる。
世間ではこんな人を“ハイスペック”と呼んでいる。
三浦さんとは連絡先を交換して、メッセージアプリで朝の挨拶なんかを交わすようになったばかりだから、今会社を辞めてしまったら接点が激減して、やり取りも自然消滅してしまうかもしれない。
樹里には冗談かなにかだと思われているようだけれど、私としては大事にしていきたい繋がりなのだ。
このまま仲良くなって進展し、私にハイスペック彼氏ができる未来を真面目に夢見ているのだから。
『また失敗しなきゃいいけど……』
「なによ、またって」
『だって、前もそういうのあったけどダメだったでしょ。やり手の証券マンだったっけ。結局のところ中身は絵に描いたような超マザコン男でさ』
「樹里、もうそれ以上はやめて」