極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 心配そうな表情を浮かべる三浦さんに申し訳なくて、昨日の深酒の件を正直に話してしまった。
 すぐに三浦さんも原因は二日酔いなのだとわかってくれて、その表情に苦笑いが混じっていく。

「それじゃあ、食欲ないよね。遅くまで飲んだの?」

「はい。友達がタクシー呼んでくれていたので、ちゃんと帰れましたけど……」

 タクシーを降りたら幼馴染がいて部屋まで送ってくれたと、うっかり続けそうになって慌てて口をつぐむ。
 涼我は一応“男”なのだし、三浦さんに変なふうに誤解されたくないから、それは言っちゃダメだ。

「本当にすみません。せっかく今日誘っていただいたのに」

「ううん。仕方ないよ。じゃあ、また今度誘うね」

 嫌な顔ひとつせず、逆に笑顔を見せてくれる三浦さんは優しい人だ。これがスマートな大人の対応なのだろう。

「苦手なものとかある?」

「苦手というか、アレルギーで海老がダメなんです」

 恐縮しながらも三浦さんの顔色をうかがったが、笑顔は崩れることなく、その表情はやわらかいままだった。

「そうなんだ。ステーキは好きかな? おいしいお店があるんだけど」

「はい。お肉、好きです」

「それはよかった」

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