極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 A5ランクとか、高級なお肉だったらどうしよう。
 さすがにそれは私には贅沢すぎて、申し訳ないな……なんて考えていたら、三浦さんの顔が私の耳もとに近づいてくる。

「ふたりで食事に行くってことは、デートだからね」

 そっとささやいた三浦さんの顔に視線を移すと、ニッコリと爽やかな笑みを浮かべていた。
 私はといえば、三浦さんの色気のある声に耳だけでなく脳まで痺れてしまって……。
 そのイケメンぶりによろめきそうになるし、最後の言葉も意味深で、頬が紅潮していく。

 コクリと私がうなずいたのを合図に、三浦さんはそのまま仕事に戻っていった。
 こんな男性がいたのだと本気で感心するくらい、三浦さんは見ているだけで目の保養になる。
 ハイスペックだし、彼に熱を上げる女性は、きっと私だけではないはずだからライバルは多いかも……。
 と、若干ネガティブなことを考えながら、その背中を見送った。
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