極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
うちのマンションの近所には、『小粋』 という名のおいしい和食居酒屋がある。
こぢんまりとしたお店でおふくろの味のようなメニューが多く、胃袋も気持ちも和む場所だから、お酒を飲みに行くというよりはご飯を食べにちょくちょく通っている。
仕事帰りの今日も、私は何気なくそのお店へと足を向けた。
紺地に白で『小粋』と書かれた暖簾をくぐって中へ入ると、「いらっしゃい」と大将がいつものように迎え入れてくれる。
ニッコリ笑って会釈をし、そのままカウンター席に視線を移したところで、笑顔が一瞬曇ってしまった。
「よぉ」
チラリとこちらに目をやり、ジョッキのビールをグイッとあおるのは涼我で、今日も無造作パーマが男の色気を醸し出している。
『小粋』がうちのマンションから近いということは、涼我の家からも近いから、たまにこうして不本意な鉢合わせが起こってしまうのだ。
このお店を教えてあげたのは私なのに、涼我自身も気に入って勝手に通うようになってしまっている。
もしかしたら今では私よりも足しげく通っているのかも、と思うほどだ。
こぢんまりとしたお店でおふくろの味のようなメニューが多く、胃袋も気持ちも和む場所だから、お酒を飲みに行くというよりはご飯を食べにちょくちょく通っている。
仕事帰りの今日も、私は何気なくそのお店へと足を向けた。
紺地に白で『小粋』と書かれた暖簾をくぐって中へ入ると、「いらっしゃい」と大将がいつものように迎え入れてくれる。
ニッコリ笑って会釈をし、そのままカウンター席に視線を移したところで、笑顔が一瞬曇ってしまった。
「よぉ」
チラリとこちらに目をやり、ジョッキのビールをグイッとあおるのは涼我で、今日も無造作パーマが男の色気を醸し出している。
『小粋』がうちのマンションから近いということは、涼我の家からも近いから、たまにこうして不本意な鉢合わせが起こってしまうのだ。
このお店を教えてあげたのは私なのに、涼我自身も気に入って勝手に通うようになってしまっている。
もしかしたら今では私よりも足しげく通っているのかも、と思うほどだ。