極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
1.幼馴染みの男
*****
「樹里、私だいぶできあがってきちゃった」
「そうね。かなり酔ってる」
「楽しいね。もう一軒行こうか!」
「やめときなさいよ」
職場の愚痴を聞いてほしくて、高校時代からの友達である塚原樹里を誘い、にぎわっていそうな居酒屋にふたりで入ったのは数時間前。
せっかくもう一軒行こうと誘っているのに、樹里はといえば冷静で、見事に断られてしまった。
私は奥井和奏、二十七歳。
大手不動産会社でOLをしている。職場の同僚ともうまくやれているし、仕事内容だって嫌ではないが、そりが合わない部長がいるのが目下の悩みの種だ。
今日は私が出した報告書でいくつか項目が抜けていると大きな声で怒鳴られたのだけど、私のミスではなく部長の指示漏れが原因だった。
自分の間違いを認めずに部下に押しつけるのはいつものことながらだけれど 、あまりにもひどいとさすがに腹が立ってくる。
しかし部長との接点をなくすのは仕事上どうしても無理だから我慢するしかなく、毎日顔を合わせているとストレスが溜まってくるので、こうしてときどき発散しないとやっていられない。
「樹里、私だいぶできあがってきちゃった」
「そうね。かなり酔ってる」
「楽しいね。もう一軒行こうか!」
「やめときなさいよ」
職場の愚痴を聞いてほしくて、高校時代からの友達である塚原樹里を誘い、にぎわっていそうな居酒屋にふたりで入ったのは数時間前。
せっかくもう一軒行こうと誘っているのに、樹里はといえば冷静で、見事に断られてしまった。
私は奥井和奏、二十七歳。
大手不動産会社でOLをしている。職場の同僚ともうまくやれているし、仕事内容だって嫌ではないが、そりが合わない部長がいるのが目下の悩みの種だ。
今日は私が出した報告書でいくつか項目が抜けていると大きな声で怒鳴られたのだけど、私のミスではなく部長の指示漏れが原因だった。
自分の間違いを認めずに部下に押しつけるのはいつものことながらだけれど 、あまりにもひどいとさすがに腹が立ってくる。
しかし部長との接点をなくすのは仕事上どうしても無理だから我慢するしかなく、毎日顔を合わせているとストレスが溜まってくるので、こうしてときどき発散しないとやっていられない。