極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
そして、引っかかったことがもうひとつある。
予約は四名だったが、私と樹里と涼我だと三名だから、ひとり足りない。
「もうひとり誰か誘ってくれって言われたから、ヒロはどうかな……」
ヒロくんは、涼我の会社で働いている若い社員で、物静かなITオタクの子だ。
ヒロくんが大学生の頃に涼我は出会ったのだけど、彼のITにおけるスキルや頭の回転の速さを高く評価して、卒業後は自分の会社にと熱心にスカウトした。
ふたりは気が合うようで、プライベートでも遊ぶことがあり、私も何度か会っている。
「……ああ、アイツ、たしか用事があるとかでダメだわ」
樹里は涼我に誰か男友達を誘わせて、人数合わせをしようとしているのだろう。
ヒロくんなら私も顔見知りだったのに、などと考えている間に、涼我はヒロくんをあきらめ、スマホを見ながら違う人を探し始めた。
「お待たせしました。出汁巻き玉子です」
そこへ、先ほど涼我が頼んだ出汁巻き玉子を蘭々ちゃんが運んできてくれた。
「え、温泉行くんですか?」
私が宿の詳細をスマホで眺めていると、それが目に入ったのか蘭々ちゃんがテンション高く反応した。
「いいですよね、私も温泉大好きなんですよ」
「そうなんだ」
どこの温泉なのかと蘭々ちゃんが顔を近づけてきたので、手にしていたスマホをどうぞと渡してあげると、彼女はうれしそうに喜んで受け取った。
予約は四名だったが、私と樹里と涼我だと三名だから、ひとり足りない。
「もうひとり誰か誘ってくれって言われたから、ヒロはどうかな……」
ヒロくんは、涼我の会社で働いている若い社員で、物静かなITオタクの子だ。
ヒロくんが大学生の頃に涼我は出会ったのだけど、彼のITにおけるスキルや頭の回転の速さを高く評価して、卒業後は自分の会社にと熱心にスカウトした。
ふたりは気が合うようで、プライベートでも遊ぶことがあり、私も何度か会っている。
「……ああ、アイツ、たしか用事があるとかでダメだわ」
樹里は涼我に誰か男友達を誘わせて、人数合わせをしようとしているのだろう。
ヒロくんなら私も顔見知りだったのに、などと考えている間に、涼我はヒロくんをあきらめ、スマホを見ながら違う人を探し始めた。
「お待たせしました。出汁巻き玉子です」
そこへ、先ほど涼我が頼んだ出汁巻き玉子を蘭々ちゃんが運んできてくれた。
「え、温泉行くんですか?」
私が宿の詳細をスマホで眺めていると、それが目に入ったのか蘭々ちゃんがテンション高く反応した。
「いいですよね、私も温泉大好きなんですよ」
「そうなんだ」
どこの温泉なのかと蘭々ちゃんが顔を近づけてきたので、手にしていたスマホをどうぞと渡してあげると、彼女はうれしそうに喜んで受け取った。