極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 私がストレス解消と癒しの旅だと言ったから、涼我はご飯を食べるときも散策するときも私を心配して気遣ってくれていたのだ。
 それを感じ取れないなんて、私は本当に鈍感すぎる。

「うらやましいです。和奏さんが」

 蘭々ちゃんが眉尻を下げて心底うらやましそうにつぶやいた。

「だって和奏さんだけ、涼我さんには特別って感じですもんね」

 前から蘭々ちゃんは涼我に積極的だったけれど、恥ずかしそうにする蘭々ちゃんの様子から、本気で涼我が好きなのだと、鈍感な私でも悟ってしまった。

「違うよ。小学校のときからの腐れ縁なだけだよ。お互い遠慮しないでいられるし、私たちはただそれだけ」

 こういうときには無意識に早口になるものだが、それが誤解を生まなければいいのだけど。
 チラッと蘭々ちゃんの様子をうかがうと、よかったと言わんばかりに口もとが緩んでいる。
 もともとかわいい上に恋する乙女の顔をした彼女は、同じ女の私から見ても本当に魅力的だ。
 こんなにかわいいのだから、男性客が蘭々ちゃん目当てにお店に足しげく通うのもわかる気がした。

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