極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「生活感がないでしょ? 仕事が忙しくて家にいないことが多いからね」

「そう……ですよね。お忙しいですもんね」

「掃除は清掃業者にたまに来てもらってるから綺麗なんだよ」

 部屋の中に白と黒以外の色がないからだろうか、三浦さんの言う通り生活感はあまりなく、掃除も行き届いていて、部屋の隅々までホコリひとつ落ちていない。
 そして、女性の影もこの部屋には皆無で、よかったとホッとしている自分がいる。

「ひとりで住むには広すぎないですか?」

 たまに友人とここで集まって食事をするとしても、十分すぎる部屋の広さだ。私ならこの空間を持てあまし、逆に寂しくなってしまうだろう。

「狭いところが苦手でね。広い方がゆったりとしてていいでしょ」

 部屋の中を見回して微笑む三浦さんは、ここがかなり気に入っているみたいだ。
 アメリカで生活することも多い経験から、広い家じゃないと窮屈なのだそう。
 本当に私とは育った環境がなにもかも違ってカッコいい。

「この前私、温泉旅行に行ってきたんで、お土産を買ってきました」

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