極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「僕の知り合いがね、温泉に出かける和奏ちゃんを偶然見たらしくて。四人で行ったみたいだって教えてくれたんだよ」

「そう、ですか……」

 なんとなく返事をしてみたものの、納得なんてできるわけがない。
 旅行に出かけるところをたまたま見かけるだなんて、そんな偶然があるだろうか。

 それに、三浦さんの説明にもかなりの違和感を覚えた。
 というのも、四人は同じ場所で待ち合わせをしていたわけではなく、涼我が車でひとりずつ迎えに行って拾った形だったから、出発当日に四人が揃ったのは車の中なのだ。

 見かけたと言うのなら、どこのどの場面のことなのか。
 それに、三浦さんの知り合いが私の顔を知っていることになるけれど、それはいったい誰なのか、考えれば考えるほど私の頭の中で謎が膨らんでいく。

「その男とはどういう関係? 古くからの友達ってほんとかなぁ」

『古くからの友達』と、三浦さんは間違いなくそう言った。
 どういう関係かと私に尋ねておきながら、もうすでに答えは知っている。

 それは……なぜ?
 その疑問が浮かんだとき、私の中でひとつの仮説にたどり着く。
 誰かに調べさせたのではないか、と。

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