極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 ……探偵、とか? 
 探偵に私の後をつけさせ見張らせていれば、何人でどこに行ったのかわかるはずだ。
 というか、そうでもしないとそこまで詳しくわからない。
 三浦さんの顔色をうかがうとうっすらと微笑んでいて、なにを考えているのか読めないから逆に怖い。

「ほんとに友達ですよ」

 視線をはずしながら否定すると、三浦さんが私の顔を覗き込んできた。

「和奏ちゃんてさ、僕が好き?」

「え!? ……あのぅ……はい」

 急にこのタイミングで直球の質問が来て、心臓がバクバクと早打ちを始める。
 肯定してしまったのだと自覚したら、一気に恥ずかしくなってきた。
 だけど私とは違って三浦さんは答えがわかっていたのか、いたって冷静な表情だ。

「なのに、別の男と温泉行くなんてねぇ」

 男と、と言うとまるでふたりきりで行ったみたいだけれど、実際に行ったのは四人だ。
 それは三浦さんも人づてに聞いてわかっているのに、わざと誤解されるような言い方をした。
 彼の目は笑っていないし、眉が片方だけピクリと動いたので、程度はわからないけれど気分を害しているのは間違いなさそう。


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