極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「すごい! おいしいですね」

「でしょ?」

 このときはまだ、私は気づいていなかった。なにがトマトで煮込まれているのか、を。

「あっ……」

 もうひと口、とスプーンでお皿の中身をすくうと、出てきたのは海老だった。
 私には海老アレルギーがあると、前に三浦さんに話したはずだ。
 トマトベースで味が濃いのでスープを飲んだ瞬間は気づかなかったが、大丈夫だろうか。

「……これ、海老なんですね」

 申し訳なさそうに苦笑いを浮かべたけれど、三浦さんの笑顔は変わらない。
 私の海老アレルギーは、すっかり三浦さんの頭からは抜け落ちてしまっているのだろうか。
 まだ浅い付き合いだから、忘れてしまったのかもしれない。

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