極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
6.世話の焼ける女
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 俺には小学生の頃から知っている、腐れ縁とも言える女がいる。
 小三のときに同じクラスになって以来、中学も高校も同じだったし、その後もなんだかんだと今現在までの長い付き合いだ。

 といっても、恋仲に発展したことはこの十八年間一度もない、いたって健全な関係である。
 和奏は些細なことで落ち込む部分もあるが、基本的には明るい性格で、笑った顔がとびきりかわいい。
 だけどそばで見ていると危なっかしいから、ついつい俺は世話を焼いてしまう。
 和奏には俺が必要なのだ。

 ――あれは高三の冬だった。

 放課後、机の忘れ物に気づいた俺が誰もいないはずの教室に戻ると、和奏がひとりでポツンと佇んでいた。
 夕焼けのオレンジ色の光が差し込む窓辺で、外を眺めている。

「和奏、まだいたのか」

 そう声をかけたのと同時に振り返った和奏の頬には、涙が伝っていた。
 ほかのクラスメイトはもうとっくに下校していて、誰かがやってくるのは想定外だったのか、最初は驚いた表情をしていたが、それが俺だとわかった途端、涙に濡れた顔が再びクシャリとゆがんだ。

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