極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
 子供の頃は背の高さが変わらなかったけれど、今や俺の方が頭ひとつ分デカくなり、和奏とはかなり差がついてしまった。

 小柄な和奏を抱きしめながら、確信したことがひとつある。
 俺はずっと、和奏が好きだったのだ。

 初恋の淡い想いなんて、もうどこかへ消えてしまったと思っていた。
 和奏にとって俺はただの幼馴染であり、腐れ縁の友達という認識で、男として見ていないのはわかっている。
 だから俺は頭では和奏をあきらめ、違う子と付き合ったりもしたけれど……。

 そんなのうまくいくわけがなかった、と我ながら納得してしまった。
 心の奥底で眠り、くすぶっていた想いがあったから、誰と付き合ってもダメだったのだ。

 俺の中には、いつだって和奏がいた。
 それに気づいたものの、今さらどうしたものかと途方に暮れた。


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