極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
7.心からの愛を
*****
三浦さんに妻子がいたという衝撃の事実がわかってから、一週間が経った。
三浦さんはステータスを重視する傾向があるし、ほかの人よりもプライドが高いから、私に二股されるなんて許せなかったのだろう。
だけど二股は誤解だし、彼の方こそ既婚者だった。
三浦さんからその後も、『既読無視をするな』などとメッセージアプリに高圧的な連絡が来たり、電話がいきなり鳴ったりもしたが、私はずっとスルーを繰り返していた。
この先も逃げてばかりいられないのは、自分でもわかっている。
きちんとケリをつけなくてはいけないけれど、スマホに三浦さんの名前が表示されるだけであの日の恐怖がよみがえってしまうのだ。
一週間経った今でもそれが抜けなくて、どうしたらいいかわからない。
それにあの日、私は不安でたまらなくて、優しく接してくれる涼我と一夜を共にしてしまった。
涼我は私を放っておけなくて一緒にいてくれたのだけど、抱かれるなんて想定外だった。
私がすがるように甘えたのがいけなかったのだろうか。
今までずっと友達だったのに、涼我はどんな気持ちで私を抱いたのか、それがわからなくてモヤモヤする。
このまま家と会社の往復だけでは、いろいろと考えすぎてしまって気持ちが晴れていかないから、今日は会社帰りにフラッと『小粋』に立ち寄った。
「こんばんは。和奏さん、お久しぶりですね」
いつも通りバイト中の蘭々ちゃんが明るく声をかけてくれた。会うのは、あの温泉旅行以来だ。
「もうお店に来てくれないのかと心配になりました。寂しいじゃないですか」
私の身に起こったことをなにも知らない蘭々ちゃんは、今日も満面の笑みでやっぱりかわいい。
「とりあえずビールね」
「和奏さん……元気ないですね。ちょっと痩せました?」
返事の代わりにヘラリと笑ってみせたつもりだけれど、蘭々ちゃんのように自然にはまだ笑えなくて顔が引きつった。
三浦さんに妻子がいたという衝撃の事実がわかってから、一週間が経った。
三浦さんはステータスを重視する傾向があるし、ほかの人よりもプライドが高いから、私に二股されるなんて許せなかったのだろう。
だけど二股は誤解だし、彼の方こそ既婚者だった。
三浦さんからその後も、『既読無視をするな』などとメッセージアプリに高圧的な連絡が来たり、電話がいきなり鳴ったりもしたが、私はずっとスルーを繰り返していた。
この先も逃げてばかりいられないのは、自分でもわかっている。
きちんとケリをつけなくてはいけないけれど、スマホに三浦さんの名前が表示されるだけであの日の恐怖がよみがえってしまうのだ。
一週間経った今でもそれが抜けなくて、どうしたらいいかわからない。
それにあの日、私は不安でたまらなくて、優しく接してくれる涼我と一夜を共にしてしまった。
涼我は私を放っておけなくて一緒にいてくれたのだけど、抱かれるなんて想定外だった。
私がすがるように甘えたのがいけなかったのだろうか。
今までずっと友達だったのに、涼我はどんな気持ちで私を抱いたのか、それがわからなくてモヤモヤする。
このまま家と会社の往復だけでは、いろいろと考えすぎてしまって気持ちが晴れていかないから、今日は会社帰りにフラッと『小粋』に立ち寄った。
「こんばんは。和奏さん、お久しぶりですね」
いつも通りバイト中の蘭々ちゃんが明るく声をかけてくれた。会うのは、あの温泉旅行以来だ。
「もうお店に来てくれないのかと心配になりました。寂しいじゃないですか」
私の身に起こったことをなにも知らない蘭々ちゃんは、今日も満面の笑みでやっぱりかわいい。
「とりあえずビールね」
「和奏さん……元気ないですね。ちょっと痩せました?」
返事の代わりにヘラリと笑ってみせたつもりだけれど、蘭々ちゃんのように自然にはまだ笑えなくて顔が引きつった。