極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「私の意には沿わないです。だって三浦さんは私にはゲットできないでしょ?」

 あぁ……もう。こんなことは別に言わなくてもいいのだ。
 脳からストップだと指令がかかっているけれど、口が勝手に動いてしまう。

「どんなにがんばっても、私のものにはならないじゃないですか。正確には、“私だけのもの”にはならないですよね」

 わざわざ神経を逆なでしてどうする。
 相手は厄介な人なのだから、できるだけ穏便におさめないと、と頭ではわかっているのに、もう後の祭りだ。引っ込みがつかない。

「なにが言いたいんだ」

 私の言葉には一向に動揺する様子もなく、三浦さんが冷たい視線を返してくる。
 これから私がする話にも予想がついているのだろう。
 だけど怯まないどころか、私をじっと見つめたまま二歩ほど距離を詰めてきた。

「アメリカに、奥さんとお子さんいますよね」

「どこからそれを?」

 瞬時に周りを凍らせてしまいそうなほどの冷たい声が響く。


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