極上初夜は夫婦のはじまり~独占欲強めな社長ととろ甘結婚いたします~
「どこからって……論点はそこではないはずです」

 最後まで言い終わるか言い終わらないか、そのタイミングで彼の右手が私の左肩を力いっぱい掴んだ。
 思いきり握力をかけられたせいで、肩に激しい痛みが走る。

「俺を調べたのか、お前ごときが」

「痛いです! 離してください」

 調べていたのはあなたもでしょう。
 私を信用できずに、探偵かなにかを使って私の身辺調査をさせていましたよね?
 痛みに耐えながらも、そう叫んでしまおうかと思った瞬間、私の肩から三浦さんの手が勢いよく離れた。

「離せよ! お前を調べたのは俺だ」

 聞き慣れた声の持ち主が、三浦さんの手を振り払ってくれた。
 タイミングよく現れたのは、いつも私が頼ってしまう人だ。
 即座に私と三浦さんの間に入り込み、自分の背中側に私を隠す。

「またお前か、上野涼我。この女の金魚のフン」

「ずいぶんな挨拶じゃないか。俺たち、これが初対面だろ。そのわりにはよく知っているようだが」

 涼我がたっぷりと嫌味を込めて言い放ち、三浦さんと対峙する。
 そうだ、このふたりは今まで一度も顔を合わせてはいないはずだ。


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