【短】桜の下、15歳。



「あっ、優に懐いてる子だ」


次の日、2階の廊下で、山崎先輩の代わりに出会ったのは、先輩の友達だった。


「えーと、山崎先輩の友達の……」

「最近、よく優と話してるよね。あいつが女子と会話するなんて珍しいから、びっくりした」

「そうなんですか」


そっか、なんか嬉しいな……。


「でも、よかったよ。あいつ、一時期ひどかったから、元気になって」

「え?」

「多分、君がそばにいるおかげなんだろうな」


言っていることの意味も分からず、だけど少しだけ気持ちが上がる。

だから、聞きたくなかった。


「さくらちゃんと、声そっくりだもんな」
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