夏空と、ボールと、君と。
部活終わりにボールを洗っていると、後ろから足音が近づいてきた。



「…っす。お疲れ。」

私の隣に来たのは、七宮くんだった。

「お疲れさま。…七宮くんもね」

七宮くんは顔をぱしゃっと洗った。

「…ふう。…正直俺らがここまで来るとは思わなかったから嬉しいよ。けど、ここで舞い上がってちゃあ、明日は勝てねえ。だから明日は精一杯戦う。」


「…うん。私は試合に出られないけど、マネの仕事で皆と一緒に戦うよ。一緒に、頑張ろうね」


すると、何故か七宮くんはそっぽを向いた。そして、頭を激しく横に振った。


「はぁ…くそ…。」

「…?どうしたの?」


「…いや、何もねぇ。…にしてもお前のおかげでいつも助かってるよ、俺も部員も。ありがとうな。」


「ううん、全然だよ。これが皆にできる精一杯のことだから。」


「そんなことない。随分助かってる。明日、頑張るよ」

そして七宮くんは部室の方に消えていった。
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