夏空と、ボールと、君と。
試合はあっという間に9回まで進んだ。


点数は変化なしの0-1。


そしてついさっき、1人目の打者を抑えられてしまった。

1アウト。


あと2アウトで勝利の道は絶たれる。



…もう、このままだと…。




怖くて試合を観るに観てられなくなり、思わず下を向く。



その時。







「「いけー!いけー!桜河!かっとばせー桜河!」」


野球部に続いて応援団、そして生徒たちが声を揃えて応援歌を歌う。


吹奏楽の演奏もより一層大きくなる。




…そうだよ、皆、信じてるんだ。


まだ、試合は終わってないもの。

マネージャーである私が諦めようとしてるなんて、最低だ。


とりあえず、精一杯応援するんだ。






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