Black sweet Darling!《完》
ーーーーーー


「はぁ。」


遅めのランチを取りながらため息を一つ。


30%なんて無謀だよ…

さっきの通知書を片手にハムサンドを齧る。


大体店の余った材料で作ったものをビルの前の公園で食べるのがパターンである。

噴水があって芝生が気持ちいいここはお気に入りの場所だ。


あー…ヨージさんなんて言うかなぁ…

あれから三日も経つのに未だに言えないでいる例の件。

早く言った方がいいのは分かってるけど、中々言い出せずにいる。


一人一人、丁寧に、会話も交えながら接客…って言うのがヨージさんの根本だし、売上至上主義のやり方は絶対嫌なはず。


「あー、どうしたもんかなぁ…」


芝生に足を伸ばし二度目のため息をついた所で、頭上に影が落ちた。



「でけーため息だな。」


上を向くとそこにはニヤリとほくそ笑む男の顔。
何でそんなに偉そうな顔が出来るのか。


「柳瀬…さん。」

「お、学習したか。」


思わず呼び捨てにしそうになったが何とか耐えた。

急に現れた柳瀬…さんは、徐にあたしと隣に腰を下ろす。

え?


「何してるんですか?」

「何って、飯だけど。」


当たり前のようにそう答えて、コンビニで買ったであろうおにぎりを取り出す。

いや、別にいいんだけど…

仮にも社長が、芝生に座り込んでランチなんてするもんなの?
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