Black sweet Darling!《完》
「ヨージさん!レジ入りますね!」

「おー浅里!悪いな!」


あご髭がワイルドな店長とはもう10年の付き合い。
昔バイトしてたカフェの先輩だった人だ。
面接の時に偶然再会してびっくりした。

知り合いだからって友達枠の入社じゃないよ?
ちゃんと試験も実技もテストがあったからね。

それにヨージさんは仕事には厳しいからそんな事は絶対しない。


「いらっしゃいませ、こんにちは!

本日のお勧めはブルーマウンテンとなっております。」


午後三時は朝の次に忙しい。

営業に行く間際に買って行く人、会社に戻る時に寄る人、常連のおじいちゃんおばあちゃん。

みんなそれぞれの生活の中で、ちょっと立ち寄って休憩してくれる、そんな空間になってたら嬉しいなと思う。


「すいません、店員さんのイチオシありますか?」


ご新規さんかな?この店には珍しく学生のお客さん。


「いらっしゃいませ。そうですね…本日のお勧めはブルーマウンテンですが、私はマンデリンをブラックでいただくのが好きですね。」


多分本格的なコーヒーを飲むのは初めてなんだろうな…
自分がカフェに目覚めた時を思い出す。


「じゃあ、それ一つ、お願いします!」

「かしこまりました。お作りしますのであちらのカウンターでお待ちくださいね。」


美味しいと思ってくれたらいいな。
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