Black sweet Darling!《完》
勤務外なのに何で機嫌をとらにゃならんのだ。

と思うけど、正直売上の事を考えると真っ直ぐ帰る気にもなれない。

だからと言って柳瀬さんについて行って息抜きになるわけないんだけど。


「ここだ。入れ。」

「へ?何ここ?」


数分歩いて着いたのは、川沿いにある一軒のお店。

【GardenBAR】と表記されたプレートがとってもおしゃれな雰囲気。


「あの…?」


何でこんなとこ連れてきたのか、合点がいかず柳瀬さんをじっと見る。



「今日は一人で飲む気分じゃないんだよ。深い意味はない、勘違いすんなよ。」


ふんっと偉そうに言い放つ姿はいつもの彼だ。

本当に深い意味はないらしい。



「するわけないでしょ。」


小声で呟いて、やっと店内に足を踏み入れた。
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