Black sweet Darling!《完》
学生さんの反応も気になるけど、レジに列ができ始めているからそうもいかない。

「いらっしゃいませ!」

「おお、奈々ちゃん、今日も元気がいいね〜」

「崎田さん!こんにちは〜。今日はどうします?」


次のお客様は崎田さんと言って、近くの文具店のおばあちゃん。この辺りがオフィス街になる前から住んでるらしい。

毎日休憩がてらに寄ってくれる常連さんで、いつも気分に寄って飲むものを変えられるツウなおばあちゃんだ。


「今日はブルーマウンテンなんだねぇ。でも昨日も飲んだからねぇ…」

「そうですねぇ」


二人で考えていたら、第三者の声が割って入って来た。


「先にオーダー聞いてくれない?急いでるんだ。」


現れたのは長身の若い男。
オフィス街には珍しく薄手のジャケットに白のパンツと言うリゾート感満載な服装だ。

おそらく今お店に入って来たばかり。

この列が見えなかったのだろうか。


「すみませんお客様、列の最後にお並び下さい。」


申し訳ないけど順番は守ってもらわないといけない。
マコちゃんは休憩に入ったばかりだし…多分今頃寝てる。

謝り、崎田さんの対応に戻ろうとした時


「倍払うから先に聞いてくれ」


そんな声が耳に届いた。
< 3 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop