Black sweet Darling!《完》
マコちゃんの言ってた通り、店の前では販売トラックが毎日無料コーヒーを配っている。

今日もその様子を横目に、公園へ向かう。


トラックに並ぶ人達を見てめげそうになるけど、ワゴン販売にも常連さんが着いてきたし、今日も頑張らなきゃ。



小川の側の樹木の裏。

ここにセッティングするのも何回目だろう。


ああ…やっぱ何か胃に入れた方がよかったかな…
午前中から気温が高く体力が消耗される。


「おい、顔酷いぞ。」


簡易テーブルを拭いていると、久しぶりに聞く声。

相変わらず整った顔は今日もご健在。
嫌味な口調もご健在。


「顔の事はほっといてください。」


久しぶりに会ったと思ったらこれだ。


「酷いってそう言う意味じゃねーよ。」


「もういいですよ。ご注文どうされますか?」


聞きながらもブルーマウンテンの用意をし始める。この人これしか頼まないし。



「お前、マジで大丈夫か?」


顔を覗き込まれて、後ずさる。

あ…ヤバ…


「おい!浅里!大丈夫か!?」


柳瀬さんの声を遠くに聞きながら、あたしは意識を手放してしまった。

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