Black sweet Darling!《完》
「思い出した。」


何でこんな大事なこと忘れてたんだろう。

お店の事放ったらかしにして、3日寝続けた上に、さらにまた寝てしまった。


ここ一カ月の出来事を思い出し、青ざめた。

窓の外は薄明るくなっていて、もうすぐ朝だと告げている。


あたしは柳瀬さんの寝室と思われる部屋を出て、部屋の主を探す。



「起きたか。朝飯食え。」


キッチンから出てきた柳瀬さんは既に着替えていて、あたしの分の朝食まで用意してくれている。


「え、あ、すみません…


じゃなくて!柳瀬さん、今日何日ですか!?」


優雅に朝食頂いてる場合じゃない。

トーストと目玉焼きがめっちゃ美味しそうだけど、それどころではない。



「ふっ、慌てすぎ。7月31日。」


「……嘘って言って…」


愕然とする。

7月31日って、売上報告する日じゃないか。

オーナー秘書がやってくる日だ。



「すいません。朝ごはん包んでもらっていいですか!?急いで行かないと!」


お店がどんな状態なのか不安でたまらない。

無断で3日も休んだ事なんて初めてだ。

というかこの状況で連休なんて…あり得ない。
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