Black sweet Darling!《完》
倍払うって料金を?

だから先にオーダー聞けって?

あんたどこの王様だよ。


「奈々ちゃん、あたしは後でいいから…」


目の前の崎田さんは優しく笑ってそいつに順番を譲ろうとする。

でもそんな事はさせません。


「お客様。当店はそのようなシステムを導入しておりません。皆様に美味しい珈琲をご提供させていただきたいので、少しお待ち頂けないでしょうか?」


よし、耐えた、

ホントはもっとガツンと言ってやりたいとこだけど、他のお客様もいるから…


「こっちは大事な商談が控えてるんだよ。そこの婆さんはただのお茶飲み会だろうが。」


ダメだ。
やっぱ耐えれん。


「お言葉ですがお客様。大事な商談があろうがなかろうが、私共にとっては大事なお客様に変わりはありません。そんなにお急ぎなのであれば、ビル内に自動販売機がございますのでそちらで買われてはいかがでしょうか?」


ふー。
言ってやった。

目の前の男はぽかんと口を開けている。

何の商談かはわからんが、おちゃらけた様子じゃどうせ大した事ないんだろ。
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