Black sweet Darling!《完》
「新…オーナー…??」


話が飛びすぎて頭がついていかない。

オーナーって…



「は、アホみたいな顔しやがって。

俺がビルごと買い取ったんだよ。だから今日から俺がオーナーだ。」


そんな突拍子も無い事言われたらアホみたいな顔にもなる。


「…何で?て言うか何で店の事情知ってるの…?」


ただのお客さんの柳瀬さんが何故30%とか色々知っているのだ。





「お前がこれ忘れて行ったんだろーが。」



目の前に出された一枚の紙切れに、あたしの疑問は解決する。

オーナー秘書に渡されたあの書面だ。


そういえば無いなと思っていた。

でもそれを見て何でオーナーになるなんて事になったんだ。



「好きなんだよ。」

「はっ?」

「この店が、だ。そこらへんのチェーンに入られたら困る。毎朝、昼、夜も、ここのコーヒーが飲みたいんだ、俺がな。」


信じられない。

自分のコーヒーの為にビル毎買い取るなんて。


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