俺様Dr.に愛されすぎて
「照れてます?」
「……うるさい」
やっぱり。いつもは余裕な表情をしているけれど、不意打ちには弱いらしい。
赤くなったその耳を見て、つい「くす」と小さな笑みがこぼれた。
自ら唇で触れた肌。その衝動から、気づいてしまった。
自分の、真木先生への気持ち。
彼の『好き』の言葉が本気かなんてわからない。
だからこそ信じちゃいけない。そう何度も心の中で繰り返していた。
けどそれでも、彼の笑顔がなによりうれしい。
触れたい、その思いがおさえきれないほどに、彼が愛しい。
強く大きな、愛情。
5年前のあの日から、恋や愛や、誰かを信じたり愛しく思う気持ちはもう持てないかもしれないって思っていた。
だけど、今確かに感じている。
好きだと言ってくれる彼の言葉を信じたい。
真木先生のことが、好き。
恐れを越えて、今、あなたに強く感じている。