俺様Dr.に愛されすぎて
「い、いただきます」
「はいどうぞ」
真木先生も同様に、ショートケーキを手に持つと私の隣に腰を下ろした。
ギッと音を立て、彼の重みでソファが沈む。
とん、と肩が触れたけれど、離れることがまた意識しているようにも思えて出来なくて、恥ずかしい気持ちをこらえて私はケーキを口に運んだ。
「ん、甘い!おいしい!」
いちごとよく合うチョコクリームの甘さに顔をほころばせると、真木先生も同様にケーキを口に運び「本当だ」と頷く。
「あ、チョコもひと口食いたい」
「いいですよ」
どうぞひと口取ってください、と言うようにケーキを差し出す私に対し、彼はフォークを伸ばす様子を見せずに小さく口を開けた。
……それって、つまり。
食べさせてくれ、ということなのだろう。
どうするべきか一度固まり戸惑うけれど、彼をこのままにさせておくわけにもいかず……仕方なく私はフォークにケーキをのせて彼の口元へ運ぶ。
真木先生はそれをぱく、と一口食べると、口の端についたクリームをペロッと舐めた。
うっ、色っぽい。
ていうか、これって間接キス?
どうしよう、真木先生が使った直後のフォークを使うなんて、できない……!でも意識してる方が恥ずかしいかな、でも、けど。
戸惑う心を気づかれないように、話題をそらすように話しかける。