俺様Dr.に愛されすぎて
「ど、どうです?チョコケーキ」
「ん。うまい。ここのケーキ好きかも」
そう言って、子供のように笑う。いつもの凜とした表情と違うその表情がかわいらしく、胸がキュンと音を立てた。
もう、その表情は反則でしょ……!
意外と甘いもの好きなんだとか、そんな風に笑ったりするんだとか、初めて知るそのひとつひとつに、胸は揺さぶられてばかりだ。
恥ずかしさを紛らわせるように、残りのケーキをバクバクッと口に押し込む。
ケーキはとても甘くておいしいのに、彼といると味がよくわからなくなる。
ドキドキと、心臓がうるさくて、恥ずかしくなって。それどころじゃなくなってしまうよ。
あっという間にケーキを食べ終えると、「ふう」とひとつ息を吐き出す。
「美味しかったです、ごちそうさまでした」
「どういたしまして」
言いながら、自分の皿と、同じく食べ終えた彼の分の皿とをまとめて捨てようと手を伸ばす。
すると、その時。真木先生はその手を突然掴んだ。
彼の大きな手にしっかりと手を包まれ、心臓はまたドキッと強くはねた。
「ま、真木先生?」
裏返りそうになる声で名前を呼ぶと、すぐ隣の彼は私の顔をじっと見つめる。