俺様Dr.に愛されすぎて
「で、藤谷はいつ答えてくれるんだ?」
「へ?」
答えって……なんの?
問いかけの意味がわからず首をかしげる私に、彼は真剣な顔つきのまま。
「藤谷のこと、好きだって言っただろ。それに対しての回答」
私のこと……あ。
言われてみれば、そうだ。
『好きだから』
真木先生は、この前そう言っていた。
彼からすれば、当然自分が言ったことに対しての答えがほしいわけで……。
けれどそれをこうして正面切って問いかけられるとは思わず、戸惑いが隠せない。
「答え、なんて聞かれても……また、そんな質問でからかわないでください」
「からかってないって」
手を振り払おうとするけれど、力を込められほどけない。
それどころか、彼はさらに距離を詰めて、じっと見つめたまま、私の額と自分の額を合わせた。
ち、近い……。
彼の吐息が、熱い体温が、伝わってくる。
「……じゃあ、質問変えるか」
「え?」
「今、藤谷はドキドキしてる?」
ドキドキ、してる。
自分の心の中を読まれた気がして、恥ずかしくて目をそらす。
顔をそむけようともするけれど、彼は空いていた左手を私の頬に添えて、それを阻止した。
観念したように彼を見れば、しっかりとこちらを見つめる。その茶色い瞳に、戸惑う自分の顔が写り込む。