俺様Dr.に愛されすぎて
けど、初めてのプライベートでのつながりがちょっと嬉しい。
あくまで、取引先の相手という関係でしかないと思っていた。けど、それよりは前進しているこの関係に、自然とにやけてしまって……。
って、なんで!
嬉しいとかにやけたりとか……それじゃあまるで、私。
「藤谷さん!」
「わぁっ!」
すると突然、名前を呼ばれるとともに肩をポンッと強く叩かれた。
ふと我に返り慌てて振り向くと、そこには深田さんがいた。長いまつ毛を上下させ、彼女は口を尖らせている。
「び、びっくりした……どうしたの?」
「藤谷さん、アレどうなったんですか!?」
「アレ?」
って、なに?
すぐ読み取ることができず、キョトンと首をかしげると、彼女は細い指で私の両肩をガシッと強く掴んだ。
「この前言ったじゃないですか!合コン!イケメン医師軍団との合コンですよ!!」
「へ?あっ!」
そういえば以前そんな話をしていた気がする。すっかり忘れていた。
私の反応から忘れていたことを察したのだろう、彼女は「もう!」とますます口を尖らせる。
かと思えば不意に私が手にしていたスマートフォンが目に入ったようで、視線をそちらへと向けた。