俺様Dr.に愛されすぎて
6.廊下の端、密やかな
揺れるタクシーの中で、交わしたキス。
驚いたのは、それを受け入れた自分。
そしてそれまで自分が胸に抱いていた気持ちの理由。
そっちを見ないで
こっちを見ていて
そんな、嫉妬と独占欲。
「……ん、」
目をさますと、そこはいつもと変わらぬ自分の部屋。
カーテンの隙間から明るい光が差し込んでいて、今が朝なのだと気付いた。
まだ少し眠い目で、ベッド脇のサイドテーブルに置いてある時計を見れば、時刻は朝10時。
って、わぁ!まずい、仕事!!
一瞬血の気が引いて、ガバッと飛び起きる。
けれどすぐ、今日が土曜で仕事が休みなことを思い出し、安堵し再度布団に入った。
よかった、今日は土曜で休みだった。
昨日ちょっと飲んだせいかまだ少しだるいし、もう一眠りして今日はだらだらと過ごそう……。
そんなことを思いながら、ごろんと寝返りをうつ。
すると、目の前には横になったままこちらをじっと見つめる、真木先生がいた。