俺様Dr.に愛されすぎて



「……さっきは、そっけなくしたくせに」

「押してダメなら引いてみろ、ってな」



いたずらっぽく笑う彼に、まんまとハマった自分が悔しい。

悔しい……けれど、嫌われたわけじゃなかったんだと安心感がこみ上げた。



それを伝えるかのように、私は自ら、真木先生の体を抱きしめた。



「ふ、藤谷?」



珍しく動揺するその声から、彼が驚き戸惑っているのだろうことを察する。

けれど、次第に受け入れるように、私の体に腕を回した。



いつも彼から触れられるばかりで、初めて自ら抱きしめる体。

硬く、たくましいその体を強く強く抱きしめた。



怖い、そう思う気持ちはお互い同じだった。

それでもその気持ちと向き合って伝えてくれていた。

その思いが愛しい。



あなたのことが、愛しい。










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