俺様Dr.に愛されすぎて
7.ベッドの上、熱帯びて
自分の過去を、受け入れてくれた。
その優しい腕と愛情に、もしかしたらその『好き』は本気なのかも、信じてもいいのかもって思った。
……ううん、この心は信じたいと願ってる。
それは、私が彼をどう思うかの答えだ。
「うぅ~……調子悪い」
ある日の午後。私は会社のデスクでぐったりと伏せていた。
というのも、今日は今朝から少し体がだるい。
仕事をしているうちによくなるだろうと気にせず出勤してきたけれど……むしろ悪化してきたらしい。
13時を過ぎる頃には、熱で頭がボーッとしてしまい、仕事どころじゃなくなっていた。
ここしばらく、真木先生のことであれこれ考えて悩んでを繰り返していたせいだ……。
「あれ、藤谷さん今日はずいぶん静かですね。どうかしました?」
すると、声をかけてきたのは、深田さん。
今日はずいぶん静か、の言い方が、じゃあいつもはうるさいのかとつっこみたくなるけれど、そんな余裕もない私に彼女は不思議そうに様子をうかがう。
「って、うわ!顔色悪い!」
「そう……?」
「真っ青ですよ!やだ、すごい熱じゃないですか!」
ピタ、と額に添えられる深田さんの小さな手はひんやりとしていて気持ちいい。
けれどそれほど私に熱があるということなのだろう、彼女は慌てて部長のデスクへと駆け寄る。
「部長!藤谷さん熱ありますよ!今日帰したほうがいいですって!」
「なに?そうなのか?」
全く気づいていなかったらしい部長は、私の方へ目を向けた。
「いえ、少し調子悪いだけで……平気です。今日巡回日ですし、アポ取ってるのに断るのも悪いですから」
「それもそうだが……」
そう頷きながらも、席から立ち上がり私の顔をまじまじと見る部長は、『平気』の言葉をいまいち信じていない様子だ。