俺様Dr.に愛されすぎて
真木先生が、私のために必死に駆けつけてくれて、優しい顔を見せていた。
いや、もしかしたら宮脇さんたちがそういう目で見ていただけで、実際はそうでもないのかもしれない。
けれど、もしかしたら。
そう想像するだけで、胸はまたときめきを抑えきれない。
すると、コンコンと部屋のドアをノックする音が響く。
「真木だ。入っていいか?」
「はいどうぞ。今ちょうど、目が覚めましたよ」
宮脇さんの声に、ドアが開くと、そこにはいつもと変わらぬ青いスクラブ姿の真木先生がいた。
部屋に入る彼に、気を遣ってか入れ替わるように宮脇さんが部屋を出て行く。
「熱は多少マシになったみたいだな。めまいとかは大丈夫か?」
「はい……すみませんでした」
私の顔色を見ながら、真木先生は大きな手をそっと額に添えて熱をはかる。
低いその体温が、ひんやりとして気持ちいい。
「はっ!そういえば今何時ですか!?」
「20時過ぎ」
「まずい仕事!!」
時間を思い出しガバッと飛び起きベッドから降りようとする、けれどまだ上手く力が入らず、よろけてしまう。
そんな私の体を真木先生は伸ばした腕でそっと支えると、再度横にさせた。