俺様Dr.に愛されすぎて
「……本当に、風邪ひいたらどうするんですか」
「その時は今度は藤谷がもらってよ」
それは、また、こうしてキスでという意味なのだろうか。そう察して、「ばかっ」と頬を赤らめた。
そんな私に、真木先生はおかしそうに笑って立ち上がる。
「さて、と。じゃあ家まで送っていく。支度してくるからここで待ってろ」
「えっ、いいですよ。タクシー使いますし……」
「病人ひとりで帰らせられるかよ。いいから甘えておけ」
そう、またぽんぽんと頭を撫でてくれる。
まるで子ども扱いだ。けれど、その大きな手が安心する。
熱で弱っているから、そう感じるのかもしれない。
けれど、いつのまにかこんなにも、彼に安心感や愛しさを感じていることに気づいた。
彼からのキスを、拒むことなく受け入れている。
そんな、自分の心の変化を戸惑うことなく受け入れられている。
それはきっと、彼を信じ始めた証。