【短】sand castles
sand castles
池上由梨加、16歳。
いつまでも、子供じゃいられない。
そう思う今日この頃。




放課後になるのをソワソワと待って。
HRが終わった途端、ダッシュで教室を出る。
それは、いつもの事だけど。
その理由を知ってる周囲は皆「また?」って、言うけど。

本人は至って真面目。
真剣に行っている、この日課。


廊下をバタバタ走っていると、途中に出逢った先生に「静かに!」なんて怒られて、足がもつれそうになる。
あたしが、こうまでして逢いたいのは、この世界でただ一人。


生徒会で、いつものように難しい古書を読んでいるはずの…三年生のけんちゃん先パイこと古河顕一郎先パイだ。
私は、中学の頃から…この人に恋を続けている。


ずっと、ずっとずっと…。
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