【短】sand castles
始まりなんて何処にもなかったのだから。
終わりさえもあるはずがないのだと…ねぇ。


冷え切った言葉の毒で、あたしを麻痺させて?
優しい嘘よりも、深く…。
もっと切り裂いて、壊してしまってよ。



「…あたしの心は………永遠に、先パイのものだよ…?」



零れる一筋の雫。
先の見えない道を歩いて。
蘇ることもないあの日の幻を胸に抱いて。


綺麗なモノなんて、最初から持ち合わせていないから。
「幸せになれ」と微笑んだ裏側で、解ける事のない呪文を掛けた。


「あたしから飛ばされた砂が…いつか先パイの心へと敷き詰められますように…」
< 15 / 17 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop